実践的な英語

インド英語特有の言い回しと、インド英語と付き合う方法

2020年3月6日

インドの人たちと仕事をして、あの特徴的なインド英語に接するようになり

「今まで聞いてきた英語と全然違う!」

と戸惑ったり悲鳴を上げてしまったという方は多いのではないでしょうか。

僕もまさにそうでした。僕の勤務する会社は国際的なIT企業で、仕事で関わる人もインド人が圧倒的ナンバーワンです。

電話会議などをすると8割以上がインド人ということがほとんどで、チームメンバーは大半がインド人。教科書に出てくるような英米の英語を話す人の方がむしろ少数派です。

業種や業務内容よって出身国の割合も変わってくるのでしょうが、多くのIT企業がインド人をCEOにしたり、上層部にも多くのインド人がいたりと、単にIT開発の現場に限ったことではないのかもしれません。

今後ますます耳にする機会が増えるインド英語。ということで今回は、インド英語特有の言い回しの中でもかなり使用頻度が高いと思われるものを紹介します。これでインド英語と少しだけ距離が縮まるかもしれませんね。

数字の数え方

数字を読むとき、インドの人は「double」や「triple」を好んで使います

例えば「3755」という電話番号を読むとき、インドの人たちは

「three, seven, double five」という感じでいいます。

同様に同じ数字が三つ並んだとき、例えば「1112」みたいな時は「triple one, two」といいます。

別に僕みたいに外国人が「three, seven, five, five」とか「one, one, one, two」と読んでも普通に通じるんですけどね。

これはインド英語だけの表現ではないですが、インドの人はかなり頑なにこの読み方をしたがる印象があったのでご紹介します。

アメリカの人は4ケタの数字なら二桁ずつ区切って「thirty seven, fifty five」という読み方を好んだりと、これは国によっていろいろありそうですね。クールな感じもするこれらの表現ですが、いろんな国の人が集まる場では、カッコよさよりも通じることに焦点を置いて、多くの人に誤解なく通じる表現を貫くのがいいかもしれませんね。

Whateverの多用

インドの人は「whatever」と関係代名詞の「what」を混用する傾向がかなりあります。

whateverといえば「Eat whatever you like (好きなものなんでも食べなよ)」とか

「Violence is not tolerated whatever the reason is (理由がなんであれ暴力は許さない)」

という感じで、「(修飾されていることが)何であろうとも」という意味合いがありますよね。

一方、関係代名詞「what」は

I will try what he suggested(彼が提案したことを試してみるよ)」といった感じで、節(文章)をモノや事として表すのに使われますが、インドの人はこの「what」の代わりに「whatever」を使う人が多いです。

先ほどの文章だと「I will try whatever he suggested」となりますが、ニュアンス的には「(他にやりようがないし、やらないと文句言われるから) 彼の提案はもう片っ端から試してみるわ」という感じで、少しニュアンスが変わってきます。

しかし彼らはそういう投げやりな意図でいっているのではなく、単に混用しているだけのようです。

もちろんインド人同士ではこれで何の問題もなく会話が成立しますし、仮に英米人が会話にいてもインドの人の意図するところはわかっているので特に摩擦が起こるわけでもなく会話が進んでいきます。

おそらく、単に語呂がいいからと誤用しているのだと思いますが、このような表現を英米の人から聞くことはまずないので、これはインド英語だと認識して、影響を受けないように注意しておくといいでしょう。

Should able to

「I should able to complete today」

「今日中に終わるはずです!」

という表現なのですが、英語の教科書的には「should able to」ではなく「should be able to」が正解となります。

私たち日本人が英語の発音や表現でどれだけミスを垂れ流しているかを考えれば、こんな些細なことを取り立てて騒ぐ必要もないのですが、インドの人はこの誤用をかなりします。またこれは誤用だとわかっておくことで、流されて誤用を真似ることを防げるので頭の隅に入れておきましょう。

派生系として「could able to」というのもあります。文法的には「could be able to」となるのでしょうが、それだとcouldとbe able toで同じ意味が重複しているので、どちらか一方にするべきですね。

同じ論理でいくと「may able to」という誤用もするはずなのですが、これについては聞いた記憶がありません。おそらくこれはインドの文化と関係があるのかもしれません。僕の経験上、インド人のエンジニアはみなポジティブ思考の方が多く、できなくてもできる、わからなくてもできるはず、と答えるので、最初から「できるかもしれない」なんて後ろ向きな発言が出てこないのかもしれませんね。

That's what!

「それ見たことか!」と興奮したり、「オレが言わんとしたのはまさにそれなんだよ!」と膝を打つときに使う人が多くいました。

おそらく「That's what I was going to say」や「That's what I just meant」から省略されてきたのだと思われます。

これもキャッチーな感じがしなくもないですが、インド英語特有な印象があるので、会話をしている人に合わせて使うか使わないかを決めるべきかもしれません。一番無難なのは、理解はできるけど、自分では使わないことかなと思います。

 Doubt

インドの方は、「I have a doubt」とよくいいます。これは質問(question)があると同義です。

doubtというと「疑い」とか「疑念」ということでなんかネガティブなイメージもありますが、単に「質問」という意味なので深く考える必要はありません。

この表現も誰かが目くじらを立てるでもなく通用していますが、これもインドの人からしか聞いたことがない表現です。

これは僕の思いつきにすぎませんが、もしかすると「doubt」という言葉は数百年前の英語では普通に「質問」という意味があり、インドはイギリス植民地時代に伝わった古い英語を今でも受け継いでいるのかもしれません。

Itself

インドの人と話していると

「Yes I can finish it this morning itself

とい感じの表現をよく聞きますが、「はい、午前中に終わります」という意味になります。

教科書通りに行くのであれば「in this morning」とか「by the noon」みたいな感じになるのかもしれませんね。

Lakh

インドには独自の数字の単位があり、僕がよく聞いたのは「Lakh」でした。これは10万を表す単位で「ラック(クは弱め)」と読みます。これも自分自身から使うことはないと思いますが、知っておいて損はないでしょう。

英語で十万の単位を数えるのって面倒なので、これは本家の英語に逆輸入してもいい気がしますね。

Do the needful

これは「必要なことをする」という意味で何かを依頼するときに使われます。

「Please do the needful」と言われたら、依頼を果たすために必要なことをしてくださいという意味になります。いわば「よろしくお願いします」みたいなノリでしょう。

これも古めかしい英語の香りがするので、古い英語を伝承しているのかもしれませんね。

リスニングはどの英語だって難しい、けど・・・

インド英語の難関はあの独特のアクセントだといわれます。しかし僕は、これはインド英語に限らずどの英語であっても難しいのだと思っています。

僕の場合ですが、初めて海外の仕事をした時はアメリカ英語ばかりで、巻き舌、話の早さ、教科書にはない言い回しの多さ、ジェスチャーを交えて自信たっぷりに話さないと子ども扱いされそうな雰囲気に圧倒されました。

数年後、突然イギリス英語ばかりに接するようになりましたが、これはこれで馴染みのない単語や慣用句が多く、発音も美しいクイーンズイングリッシュなどどこへやら、スコットランドとか北の人の話は全く聞き取れず、中部くらいの人でもすでに難易度が高い。しかもユーモアセンスも深く、最低限のコミュニケーションは取れても、彼らがパブでするようなソーシャルな会話に参加できるようになるとは思えませんでしたし、実際にできませんでした。

そして時期を前後して頻繁に接するようになったのがインド英語でした。当時は国際電話の品質もよくなく、ノイズ混じりの音声で何を言っているかわからない人の話を聞いていました。

なので私たち日本人にとってはどの英語であっても難しく、どこから始めたとしても大差なかったのかもしれません。

ただその中でも「これは聞きやすいな」と思った英語を挙げるならば、第一世代だけど海外在住歴が長いインド人の英語でしょうか。

彼らの英語はインドのアクセントが薄れ、そしてインド特有の言い回しも鳴りを潜め、それでいて本家の英米ほどの強さもなく、それがちょうどいい具合だったのかもしれません。

なのでインド英語に耳を慣らすには、インドを出て長い人の話を聞くことから始めるといいかもしれませんね!

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